≡津軽三味線用語大辞典≡
【ろ】3

【ローマ字】 ろーまじ
 津軽三味線・民謡の世界における最も近代的な表記方法。「津軽三味線」と漢字で書くよりも、「Tsugaru Shamisen」とローマ字で書くことが多い。「民謡」は「Minyo」と書くため、英語風に「まいにょー」と発音しないよう注意が必要。その他、地名もローマ字に変換して近代化する手法が多く見受けられる。
 民謡界におけるローマ字表記の歴史は長い。現在では理由もなく伝統化しており、若手までが慣例的にローマ字を使っている。素直にナウいと認めてあげるのが礼儀。ときに、「表意文字たる漢字を避け、ことばそのものが持つ音を大切にしたい」などという言い訳を聞くこともあるが、それなら国際音声字母を使え、なんて言ってしまうのは野暮というものだ。
 かの有名な「YOSAKOIソーラン」など、さまざまな楽曲のTAITORUとなることが多い他、「ザ」との併用も多く見受けられる。

【ザ】 →関連事項
No.8 by りょう メール
2005/01/08 [Sat] 14:01
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【六段】 ろくだん
 津軽三味線合奏曲の代表格で、「あどはだり」とほぼ同じ曲。曲の節が6つに分かれていることから六段と呼ばれるが、箏曲「六段」にあやかって名付けられたとも言われている。オリジナルは民謡酒場全盛期の浅草で生まれたと言われるが定かではない。また、白川軍八郎・井上勇美人・福士政勝の三名が作曲したとも言われ、当時の音源も残っているが、現在の「六段」とはかなり違うものであり、いずれにしろ後世になんらかの手が加わっていることは確かである。

【あどはだり】 →関連事項
No.44 by kanko メール ホーム
2005/01/15 [Sat] 15:08
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【ロック】 ろっく
 若者の音楽のこと。
 一般的な音楽用語としての「ロック」は、主に精神的価値観を定義の軸に据えるが、津軽三味線の世界においてはギター・ベース・ドラムスのいずれかが入っただけですべて「ロック」と呼ぶ。難しいことを考えなくても、普段やっている民謡にギター・ベース・ドラムスを合わせればそれだけで「ロック」である。
 また、「ロック」は時に形容詞ともなり、「若者らしい、かっこいい」という意味を持つ。長唄三味線奏者「六九家宏光」、箏曲「ROCK段」、そして「ロックソーラン節」などが実在し、若者への必死のアプローチを続けている。
 結局のところ、民謡と三味線の世界における「ロック」とは、洋楽に対する劣等感の結晶なのである。民謡が「ダサい音楽」「老人の音楽」であるならば、その対極に存在するのが、「カッコいい音楽」そして「若者の音楽」たるロックなのだ。やたらと「ロック」を標榜する奏者は、要するに民謡や三味線を「ダサい」と思っていることになるわけで、これはあながち間違いでもあるまい。
 ロック好きの方々は、まず民謡界におけるロックの定義をしっかりと理解しておくことをお勧めする。『六三四』など、本来的な意味での和楽器ロックを実践しているグループは極めて稀であり、「ロック」を冠する民謡・邦楽関係者の楽曲にはあまり期待しない方が良い。
 21世紀に入ってからは、ロックに代わり「トランス」が幅を利かせているようだが、ロックと同じく、劣等感の上に成立したものであることに変わりはない。

【トランス】 →関連事項
No.11 by りょう メール
2005/01/08 [Sat] 14:41
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