≡津軽三味線用語大辞典≡
【す】4

【スカ撥】 すかばち
 読んで字のごとく、空振りしてしまう撥使い。津軽三味線を習いたての方はもちろん、そしてずっと経験している先生方も必ずやったことがある。集中力が欠けたとき、舞台で緊張したときなどに引き起こす初歩的ミスの撥使いを言う。
 スカ撥は撥先が糸に当たるはずがそれをすり抜け、弾いてるつもりでも「カツッ」と撥が皮に当たる音しかしない。予測できないことであり、頑張って演奏しているだけにとても恥ずかしく悔しい瞬間である。もしそれが舞台の上であれば、聴衆も「どうした?」という空気を作ってくれる。さらに「スカ撥」が続くならば聴衆の雰囲気は「頑張れ!」に変わってゆく。このような聴衆がいてくれたならばスカ撥もやりがいがある。

【撥】 →関連事項
【撥付け】 →関連事項
No.135 by kanko メール ホーム
2005/06/17 [Fri] 23:48
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【スクイ】 すくい
 撥で糸をすくい上げて音を鳴らす技法。「すくい撥」とも、まれに「返し撥」とも言う。
No.34 by kanko メール ホーム
2005/01/12 [Wed] 23:40
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【ストリート】 すとりーと
 路上演奏のこと。本来は英語で「street」、路を意味する言葉だが、三味線を含めた音楽業界では「ストリート演奏」を略して単に「ストリート」と言うのが慣例となっている。なぜ「路上」という言葉が出てこなかったのかは謎。
 ストリートは、人前で演奏する最も手軽な手段。運と実力があれば投げ銭も入るため、各地でかなり多くの人たちがチャレンジしている。ギターやバンドと違い、津軽三味線は高年齢層にウケるため、投げ銭の単価が高く効率が良いのだ。しかも演奏する曲はじょんがらの曲弾きだけでオッケー。これだけ聞けば、こんなにおいしい話はないと誰もが思うだろう。
 しかし、プロを目指す人にとって最適な手段とは言い難い。「舞台度胸をつけるため」としてストリートに出る人も多いが、ストリートでの度胸とステージでの度胸は別物。またストリートからステージの仕事に結びつくことはきわめて稀だし、たとえ結びついても思いっきりナメられる上ギャラは叩かれる。さらに、不特定多数の素人を相手にすることで、いわゆる「シロウト受け」する演奏に偏りがちな傾向も出てきてしまう。古典の世界から遠ざかってしまうのだ。現実に、ストリート演奏からのし上がっていった有名演奏家というのも、数えるほどしかいない。
 それでもストリートに出たいと言うガッツな人は、しっかり先生につき、古典を学ぶことを忘れないようにしよう。また、ストリートにつきものの警察、ヤンキー、ヤーさんに対する覚悟も必要だ。
 まあ、考えてみれば昔のボサマはみんなストリートミュージシャンだったわけで、そういう意味では原点回帰と言えるかもしれない。だからと言ってあまり考えすぎるのもどうかと思う。小遣い稼ぎくらいのスタンスでストリートに出るのが正解かもしれない。

【ボサマ】 →関連事項
No.27 by りょう メール
2005/01/11 [Tue] 04:05
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【スリ】 すり
 糸を薬指で擦り、2〜3度にまたがる音程の大きなビブラートをかける技法。ツボとツボの間を大きく動いて音にうねりを作る。1の糸で独奏序盤の山場となり、3の糸で独奏中盤の山場となる。単なるビブラートは「スリ」とは呼ばない。

【ビブラート】 →関連事項
【ツボ】 →関連事項
No.37 by りょう メール
2005/01/13 [Thu] 13:12
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