【津軽三下がり】 つがるさんさがり
 正式には「津軽馬方三下り」(つがるうまかたさんさがり)と言う。津軽五大民謡のひとつで、唯一三下がりの調絃で演奏する。哀愁を帯びた曲調が特徴。
 元は信州の馬方節と言われる。馬方節とは、馬子が唄っていた労働歌。これが江戸時代末期、現在の長野県軽井沢町周辺の追分宿で酒席の騒ぎ唄として定着し、各地に広まった。「馬方三下がり」は「追分節」とも呼ばれ、秋田の本荘追分や北海道の江差追分の原型ともなっている。また、南部地方ではこの流れを汲む「南部馬方三下がり」と「南部追分」のふたつが残っている。
 「馬方節」が津軽に入った当初は素朴なものだったが、津軽独特の奏法が採り入れられて現在の「津軽三下がり」となった。他の五大民謡同様、津軽の民謡は多くの先駆者たちが革新的な奏法を生み出すことでその独自性を築いているのである。

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No.22 by りょう メール
2005/01/10 [Mon] 01:52
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